深夜の怒り

恋人が怒った。
四捨五入したら二桁いってしまうくらい、結構長い年月付き合っているが、私の前で怒ったのは、その間、2回目。いや、3回目か。
詳細は割愛するが、
1回目は布団に対して怒り、「なに怒ってんのよ」と私が逆切れして終わった。
2回目はひび割れたガラス窓に対して怒り、翌日、ひび割れの原因を調べてあげることで納得した。
そして3回目の昨晩。初めて私に対して怒った。
この平和な社会は彼が作ってるんじゃないかと疑ってしまうくらい温和で柔軟な彼を、私は怒らせてしまった。
「怒ってる?」
「ぶん!(“怒ってる!”の意)」
「よかかれと思ってやったんだけど・・・」
「ぶん・・(“そんなこと言われても”の意)」
「ごめんね・・」
「ぶんぶん・・(“・・もういいよ”の意)」


寝ている彼の虫刺されの跡にキンカンを塗っちゃいけない。
相当沁みたらしい。