やつがきた

やつが戻ってきた。10年ぶりに。


10年前のあの時、私は立てなくなった。
あまりにも突然で、衝撃的で、目の前が真っ白になった。
床にへたり込んだまま、何時間そうしてただろうか。
悲しかった。悔しかった。
なんで、なんで私が…
それからしばらくは、普通のはずの毎日が苦痛の日々だった。


でも、時間(とき)がそれを忘れさせてくれた。
時々冷たい風が吹いたときにふと思い出すことはあっても
10年という時間は、十分に私を慰めてくれた。
もう大丈夫、私は大丈夫。
そう思ってた。
それなのに、それなのに…


やつは突然戻ってきた。
そんなの聞いてない!ひどい!ひどい!ひどい!
もう…嫌だ…
もう、もうあんたになんか会いたくなかった!




ぎっくり腰のバカーーーーーーーーーー!